メルマガ登録の同意の取り方|ポップアップ・会員登録・購入時に特定電子メール法をどう守るか

ネットショップでは、メルマガの登録がお問い合わせフォームではなく、ポップアップや会員登録、購入画面の途中で行われることがよくあります。場面が増えるほど、「この人は本当にメルマガに同意しているのか」があいまいになりがちです。この記事では、総務省・消費者庁の「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」と法令の条文をもとに、場面ごとの同意の取り方、残しておく記録、メールに入れる表示、配信停止の作り方を整理します。

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この記事は、公開されている法令とガイドラインを読みやすく整理したもので、法的な助言ではありません。個別の判断が必要なときは、出典の原文を確認し、専門家にご相談ください。

メルマガに関わる法律は2つある

広告・宣伝のメールには、主に2つの法律が関わります。どちらも「あらかじめ同意した人にだけ送る」というオプトインの考え方ですが、目的と対象が少し違います。

特定電子メール法特定商取引法
目的メールの送受信の支障を防ぐ消費者の保護と取引の公正
対象のメール営業として広告・宣伝のために送るメール全般通信販売の商品・サービスの電子メール広告
同意の呼び方同意(送信を求める旨の通知も含む)承諾・請求
記録の保存最後に送った日から1か月(措置命令を受けた場合は1年)最後に電子メール広告をした日から3年
配信停止の後停止の通知を受けたら以後送れない提供を受けない旨の意思表示を受けたら以後送れない

総務省のパンフレット「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」は、メールの内容によっては両方の法律が適用されると説明しています。ネットショップが商品の案内をメルマガで送る場合は、両方を前提に準備しておくのが安全です。

「同意を取った」といえる条件

ガイドラインは、同意を「受信者が広告・宣伝メールが送られることを認識したうえで、賛成の意思を表示したこと」と説明し、次の2点で判断するとしています。

  1. 普通の人なら気づく形で説明されていること。規約の中に書いてあっても、極めて小さい文字や目立たない色、長い規約を延々とスクロールしないと読めない場所にある場合は、認識できる表示とはいえないとされています。
  2. 賛成の意思表示があったといえること。登録ボタンを押す、チェックを入れるなど、本人の操作があることが前提です。

あわせて、誰から送られるのかが分かることも求められています。「関連サイトから広告メールが届きます」「姉妹サイトからのお知らせ」といった書き方では送信者を特定できず、適切に同意を取ったとはいえないと書かれています。ショップ名や会社名をはっきり示しましょう。

なお、送るメールの種類や内容まで細かく特定して同意を取ることは、法律上の義務ではないとされています。ただし配信の回数が多いなど受信者の負担が大きい場合は、それを伝えることが推奨されています。「月に2回ほど」のように頻度を書いておくと、登録後のギャップも減ります。

場面ごとの同意の取り方

ネットショップでメールアドレスを受け取る場面は、大きく4つあります。それぞれで気をつける点を表にまとめます。

場面同意の取り方の目安気をつけること
メルマガ登録のポップアップ登録ボタンを押すこと自体が申し込み。入力欄のすぐ近くに「メルマガが届く」「送信者名」を書く特典の文言だけを大きくして、メルマガが届くことが読めない作りにしない
会員登録「メルマガを受け取る」のチェックボックスを置く。初期値はチェックなしが推奨初期値をチェックありにするなら、その旨と外し方を目立つ場所に書く
購入画面カートシステム側の「メルマガを受け取る」欄で意思を確認する一度買っただけの人に、確認なしで広告メールを送らない
問い合わせフォームメルマガの申し込みとは分けて扱う問い合わせてきた人を、そのままメルマガの送信先に入れない

チェックボックスの初期値は「チェックなし」が推奨

ガイドラインは、チェックがあらかじめ入っている「デフォルトオン」と、入っていない「デフォルトオフ」について、同意の有無はどちらの方式かだけでは決まらず、表示の仕方と意思表示の有無で判断するとしています。そのうえで、受信者の意思がより明確になるデフォルトオフが推奨されています。

デフォルトオンを使う場合の注意点も具体的に書かれています。

  1. チェックを外さなければ送信に同意したことになる旨と、外し方を分かりやすく表示する。
  2. チェックボックスは、利用者が普通に気づく場所に置く。長い説明の下に隠れていて一覧できない配置は、有効性に疑問が持たれる。
  3. 利用者がチェックを外して次の画面に進んだあと、「戻る」で前の画面に戻ったときに、チェックが入った状態に戻らないようにする。
  4. チェックボックスが複数あるときは、一括で全部外せるようにすることが推奨される。

購入画面は、商品の選択などほかの入力が引き継がれる分、チェックが戻っていても気づかれにくい場面です。カートシステムの設定でどちらの初期値になっているかを、一度実際の画面で確かめておきましょう。

購入しただけの人に送ってよいか

特定電子メール法には「取引関係にある者」への送信を認める例外があります。ただしガイドラインは、商品を一度買っただけでは必ずしも継続的な関係とはいえないとしています。さらに総務省のパンフレットは、送るメールが通信販売の電子メール広告にあたる場合は特定商取引法が適用されるため、請求や承諾なしには送れないと注記しています。

一方で、注文確認や発送のお知らせのように、取引のために送るメールの一部に付随的に広告が入ることは、両方の法律で例外として扱われています。つまり、購入者に送ってよいのは「取引のための連絡」であって、それとは別にメルマガを送りたいなら、購入画面などで同意を取っておく必要がある、と考えるのが分かりやすい整理です。

同意文の書き方の例

ポップアップや登録フォームの入力欄の近くに置く文の例です。ショップ名、届く内容、頻度、配信停止ができることを短く入れます。

【メルマガ登録】
登録すると、〇〇ショップ(株式会社〇〇)から
新商品・再入荷・セールのお知らせをメールでお送りします。
配信は月2回程度です。配信停止はメール内のリンクからいつでもできます。

特典で登録を促す場合も、特典の文言とメルマガが届くことの説明を同じくらい読める大きさにします。特典が目立ち、説明が小さく薄い色になっていると、先ほどの「認識できる表示」の考え方に反するおそれがあります。ポップアップの特典や入力項目の決め方はメール登録ポップアップの作り方で紹介しています。

ダブルオプトインは必要か

登録されたアドレスに確認のメールを送り、本人がリンクを押すなどして初めて登録を確定する方法を、ダブルオプトインといいます。ガイドラインは、他人のアドレスを勝手に登録する「なりすまし」を防ぐ必要が高い場合や、同意があったことを立証する必要がある場合に推奨しています。

一方で、メルマガのように手軽さが求められるサービスでは負担になり、必ずしも適当でない場合もあると書かれています。より簡単な方法として、「心当たりがなければ返信してください」という確認メールを送り、返信がない場合だけ配信する方法も紹介されています。なお、確認のためのメールも特定電子メールにあたるとされ、送れるのは、登録フォームでアドレスの通知を受けた場合などに限られます。確認メールには広告の内容を入れないことが前提です。

marketingLABOには、確認リンクを押した人だけを登録するダブルオプトインの機能はありません。必要な場合は、ほかの方法と組み合わせて検討してください。

同意の記録は自社で残す

特定電子メール法は、同意を受けた事業者に、同意を証する記録の保存を義務づけています。施行規則とガイドラインによれば、残す内容は次のどちらかです。

  1. メールアドレスごとに、同意を受けた時期と方法などの状況が分かる記録。
  2. 送信先のメールアドレスのリストと、同意を取ったときに示した定型的な内容(Webサイトなら、そのときの画面の構成と文言)。

保存期間は、特定電子メール法では最後に送った日から1か月(措置命令を受けた場合は1年)、特定商取引法では最後に電子メール広告をした日から3年です。長いほうに合わせて、3年を目安にしておくと迷いません。

marketingLABOには、同意の記録を残すための専用の機能はありません。次のものを、ショップ側で日付つきで保存しておくことをおすすめします。

  1. 登録ポップアップ・会員登録画面・購入画面の、同意文が写った画面のキャプチャ(文言を変えるたびに)。
  2. どの場面から、いつ登録されたかが分かるアドレスの一覧。
  3. カートシステム側で取得した、メルマガ受け取りの設定の一覧。

送るメールに入れる表示

同意を取ったうえで送るメールにも、表示の義務があります。特定電子メール法と施行規則で定められている主な項目は次のとおりです。

表示する事項置き方の決まり
送信に責任を持つ者の氏名または名称受信者が容易に認識できる場所
配信停止の通知を受けるメールアドレスまたはURL受信者が容易に認識できる場所
配信停止の通知ができる旨上の通知先の直前または直後
送信者の住所任意の場所(リンク先に書く場合は、その場所をメール内に示す)
苦情・問い合わせを受け付ける電話番号、メールアドレスまたはURL任意の場所(同上)。電話番号も載せることが推奨

通信販売の電子メール広告では、特定商取引法の表示も加わります。消費者庁の「特定商取引法ガイド」では、電子メールで広告する場合の事業者のメールアドレスは省略できない項目とされています。

配信停止はかんたんに

同意した人でも、配信停止を申し出たあとは送れません。ガイドラインは、手続きが複雑だと受信者が迷惑メールのフィルターで拒否し続けることになるとして、かんたんな配信停止の方法を推奨しています。例として、受信者ごとに異なるURLをメールに載せ、クリックした先の画面ですぐ停止できるようにする方法が挙げられています。

Gmailの「メール送信者のガイドライン」も、Gmailアカウントに1日5,000件を超えて送る送信者に対し、マーケティング目的のメールではワンクリックで登録解除できるようにすることを求めています。

marketingLABOのメルマガとジャーニーのメールでは、次のように配信停止を扱えます。

  1. 本文に配信停止のリンクを入れる。メール作成画面の「配信停止用URL挿入」ボタンで、受信者ごとの配信停止URLを入れられます。ブロックで作るメールでは「配信停止」ブロックを置きます。ブロックのひな形のフッターには、会社名・住所・連絡先の欄と配信停止のリンクが入っているので、会社情報をご自身のものに書き換えて使えます。
  2. ワンクリック配信停止のヘッダー。メールのヘッダーに、対応するメールソフトの「登録解除」から停止できる情報を付けて送ります。
  3. 停止した人には送らない。配信停止した人には、メルマガも、ジャーニーの途中のメールも送りません。

ただし、送信者名や住所などの表示は、メールの本文にご自身で入れる必要があります。送信前のテスト送信で、表示がそろっているかを確かめてください。

公開前のチェックリスト

  1. 登録の入力欄の近くに、ショップ名(会社名)とメルマガが届くことが、読める大きさで書いてある。
  2. 会員登録・購入画面の「メルマガを受け取る」は、初期値がチェックなしになっている(またはデフォルトオンの注意点を満たしている)。
  3. 問い合わせだけの人、購入だけの人を、同意なしにメルマガの送信先に入れていない。
  4. 同意文の画面キャプチャと、登録の日付・経路が分かる一覧を保存している。
  5. すべてのメールに、送信者名・住所・問い合わせ先・配信停止の方法が入っている。
  6. 配信停止のリンクを自分で押して、停止できることを確かめた。

よくある質問

Q. 同意を取った日より前に集めたアドレスには送れますか?
同意や例外にあたるかどうかで決まります。どの経路で、どんな説明のもとで受け取ったアドレスかを確認し、分からないものは送信先から外すのが安全です。

Q. ポップアップに「登録すると10%オフ」とだけ書いて、メールアドレスを集めてもよいですか?
メルマガが届くことと送信者が分かる説明を、入力欄の近くに添えてください。特典だけを書くと、登録した人がメルマガの送信を認識していたといえないおそれがあります。

Q. 配信停止したお客さまに、注文確認のメールは送れますか?
取引のための連絡に広告が付随的に入るメールは、配信停止の対象外の例外とされています。ただし、広告が主になったメールは例外にあたりません。

Q. 会社名が変わったら、同意を取り直す必要がありますか?
ガイドラインは、名称の変更や合併などで権利義務を引き継いでいれば同意は有効としつつ、すべての受信者にその事実を知らせる必要があるとしています。

marketingLABOで登録の後を自動化するには

marketingLABOでは、メール登録フォーム付きのポップアップやフォームでアドレスを受け取り、メルマガ(ライトプラン以上)で配信できます。登録した人に順番にメールを送るジャーニーはスタンダードプランです(料金)。登録直後からのメールの組み方は会員登録後のステップメールの組み方で紹介しています。フリープランは無料で登録できます。

参考にした資料

総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」(平成23年8月): https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_081114_1.pdf

総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_pamphlet.pdf

総務省「迷惑メール対策」: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/m_mail.html

e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」: https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0100000026

e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律施行規則」: https://laws.e-gov.go.jp/law/414M60000008066

e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」(第12条の3): https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057

消費者庁「特定商取引法ガイド 通信販売」: https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/

Gmailヘルプ「メール送信者のガイドライン」: https://support.google.com/a/answer/81126?hl=ja

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