休眠顧客を呼び戻すメールの送り方|しばらく来ていないお客さまへの2〜3通の流れと止めどき

以前はよく見に来てくれていたのに、最近はサイトに来ていない。そんなお客さまに送るのが、呼び戻しのメール(休眠顧客の掘り起こしメール)です。新しいお客さまを集めるより、一度ショップを知っている人に思い出してもらうほうが、少ない手間で動いてもらえることがあります。この記事では、何日来ていなければ「休眠」とみなすか、2〜3通の流れと文例、戻ってきた人には送るのをやめる設計、反応がない人への送るのをやめる時期までを、小さなネットショップ向けにまとめます。後半では、marketingLABOのジャーニーで組む手順と、できないことも書きます。

更新

呼び戻しメールとは

呼び戻しメールは、一定の期間ショップに来ていない人に、もう一度来てもらうきっかけを作るメールです。全員に同じ日に送るメルマガと違い、「しばらく来ていない」という状態になった人にだけ、その人のタイミングで届けます。

もう一つの役目は、メールのリストを整えることです。何か月も反応がない宛先に送り続けると、迷惑メールとして報告されたり、メールが届きにくくなったりする原因になります。Googleのメール送信者のガイドラインでも、受信者が登録の継続を望んでいるかを定期的に確かめること、メールを開封していない人の配信登録の解除を検討することがすすめられています。呼び戻しメールは、「戻ってきてくれる人」と「もう送らないほうがよい人」を分ける作業でもあります。

始める前に決める3つのこと

1. 何をもって「来ていない」とするか。小さなショップで使いやすいのは、サイトへの訪問です。メールの開封は、メールソフトが画像を自動で読み込むと、読んでいなくても開封と数えられることがあります。逆に、画像を止めている人は読んでいても開封になりません。いちばん分かりやすい手がかりは、サイトに来たかどうかです。

2. 何日たったら「休眠」とするか。次の節でくわしく考えます。

3. 誰に送ってよいか。呼び戻しメールも、商品やセールの案内を含めば広告・宣伝のメールです。メルマガの受け取りに同意した人だけに送ります。購入しただけの人や、問い合わせをしただけの人を入れないようにしましょう。同意の取り方はメルマガ登録の同意の取り方にまとめています。

「休眠」の日数の決め方

「90日来ていなければ休眠」のような決まった答えはありません。お客さまが次に来るまでの、ふだんの間隔より長めにとります。短すぎると、ふつうに買い物の間が空いているだけの人にまで「お久しぶりです」と送ることになります。

商品のタイプふだんの来訪の間隔休眠の日数の目安
食品・日用品など、なくなったら買い直す商品数週間〜1か月ほど使い切る周期の2倍くらい
服・雑貨など、季節で買う商品季節ごと季節をひとつまたぐくらい
家具・家電など、たまにしか買わない商品1年以上空くこともある長めにとり、送る通数も少なく
表の日数は考え方の例で、調査による数字ではありません。自分のショップの実際の間隔は、カートシステムの注文データ(同じお客さまの前回の注文からの日数)で確かめるのが確実です。

迷ったら、長めの日数から始めます。最初は対象が少なくなりますが、本当に来なくなった人に絞って送れます。様子を見て、数か月ごとに見直しましょう。

基本の流れ:2〜3通・約3週間

呼び戻しのメールは、たくさん送るほど逆効果になりがちです。しばらく来ていない人にとって、急にメールが続けて届くのは負担です。2〜3通で終える流れをおすすめします。

メール送るタイミング役割
1. 近況のお知らせ休眠と判定されたとき新商品・再入荷・季節のおすすめなど、来てみる理由
2. ひと押し約7日後(サイトに戻っていない人)特典や、送料・返品などの安心材料
3. 確認さらに約14日後(まだ戻っていない人)メールを続けて受け取るかの確認と、配信停止の案内

どのメールのあとでも、サイトに戻ってきた人はそこで流れを終えます。戻ってきた人は、もう「休眠」ではありません。そのあとは、ふだんのメルマガに任せます。

1通目:近況のお知らせ

最初のメールで値引きを出す必要はありません。しばらく見ていなかった人には、「前に見たときから何が変わったか」がいちばんの来る理由になります。

  1. 件名で、何が新しいかを具体的に伝える。「お久しぶりです」だけでは、開く理由になりません。
  2. 紹介するのは新商品・再入荷・人気の商品などから3点まで。
  3. ボタンは1つ。新商品の一覧やおすすめのページへ。
  4. 最後に、配信停止のリンクを分かりやすく置く。
件名:秋の新作が入荷しました|〇〇ショップ

こんにちは、〇〇ショップです。
最近の入荷とおすすめをお知らせします。

  ・〔新商品〕…〔選ばれている理由を1行〕
  ・〔再入荷した定番〕…〔ひとこと〕
  ・〔季節のおすすめ〕…〔ひとこと〕

[ 新作を見る ]

2通目:ひと押し(戻っていない人へ)

1週間ほどたっても戻っていない人にだけ送ります。ここで特典を出すかどうかは、ショップの方針しだいです。出す場合は、期限と条件をはっきり書きます。

  1. いちばん上に、今来る理由を一つ。特典、送料無料の条件、季節の締め切りなど。
  2. 「前に来たときに気になっていたこと」への答えを一つ。サイズの選び方、返品のしやすさ、届くまでの日数など。
  3. 短く。商品をたくさん並べない。
件名:〇月〇日まで、送料無料でお届けします

〇〇ショップです。
〇月〇日までのご注文は、金額にかかわらず送料無料です。

サイズ交換は、到着から〇日以内なら無料で承ります。

[ ショップを見る ]
文例の日付や条件は架空の例です。特典の条件は、カートの画面やサイトの表記とそろえてください。クーポンや送料無料の書き方はクーポンと景品表示法、送料無料のお知らせの出し方も参考にしてください。

3通目:確認(まだ戻っていない人へ)

最後のメールは、売り込みではなく「このまま受け取り続けますか」という確認にします。正直に聞くほうが、迷惑メールとして報告されるよりずっとよい結果になります。

件名:今後もメールをお送りしてよいですか

〇〇ショップです。
しばらくご覧いただいていないようでしたので、ご連絡しました。

これからも新作やセールのお知らせが必要でしたら、
下のボタンからショップをご覧ください。

[ ショップを見る ]

ご不要でしたら、こちらから配信を停止できます。
〔配信停止のリンク〕

このメールで流れを終えます。ここまで反応がなかった人を、このあとどう扱うかは次の節で決めます。

止めどき:反応がなかった人をどうするか

3通送っても戻ってこなかった人に、ふだんのメルマガを同じ頻度で送り続けるのはおすすめしません。読まれないメールが積み重なると、迷惑メールとして報告されやすくなり、ほかのお客さまへのメールまで届きにくくなるおそれがあります。

やり方向いている場合
送る回数を減らす(大きなセールのときだけ送る)季節で買う商品など、間が空くのが自然なとき
ふだんのメルマガの送り先から外す何年も反応がなく、今後も来る見込みが低いとき
配信停止のリンクを分かりやすくしておくどの場合でも

「外す」といっても、お客さまのデータを消すわけではありません。メルマガの送り先から外しておき、あとでサイトに戻ってきたら、また送り先に戻せばよいのです。

ジャーニーで組む手順

marketingLABOでは、自動のメールの流れを「ジャーニー」と呼び、スタンダードプランで使えます(料金)。新しく作るときに、ひな形の「しばらく来訪のないユーザの再活性化」を選ぶと、次の流れが最初から置かれます。

  1. 開始:休眠ユーザ(しばらく来ていない人)。
  2. メール送信:1通目(件名の例「【お久しぶりです】最近の動向をご紹介」)。
  3. 待機:7日後の9時。
  4. 分岐(サイト再訪):再訪ありなら案内のメールを送ってゴール「再活性化成功」、再訪なしなら離脱「休眠継続」。

ひな形の件名や本文は例なので、ショップの言葉に書き換えます。この記事の2〜3通の流れにするなら、次のように直します。

  1. 再訪ありの道は、メールを送らずにそのままゴールにする(戻ってきた人には、ふだんのメルマガで十分です)。
  2. 再訪なしの道に、2通目(ひと押し)を足す。
  3. その後ろに「待機:14日後の9時」と「分岐(サイト再訪)」を足し、再訪ありはゴール、再訪なしは3通目(確認)を送ってから離脱にする。

休眠の判定基準と日数を決める。開始の部品では、「休眠の判定基準」と「判定する期間(○日以上反応なし)」を設定します。判定は1日1回行われます。判定基準の「あらゆる活動がない」には、サイトへの来訪だけでなくメールの送受信なども含まれると画面で説明されています。メルマガを定期的に送っているショップでは、「自社サイトへの来訪がない」を選ぶと、「サイトに来ていない人」をそのまま対象にできます。

分岐の前には必ず待機を置く。サイト再訪の分岐は、そこに着いた時点の状態を見ます。メールを送った直後に判定すると、ほぼ全員が「再訪なし」に進みます。待機で、メールを読んでサイトに来るための時間をとります。

タグで目印を付ける。「コンタクト操作」の部品で、3通目を送ったあとに「休眠継続」などのタグを付けておきます。メルマガのセグメントは「コンタクトのタグ」で絞り込めて、NOTの条件も使えるので、このタグが付いた人をふだんのメルマガの送り先から外せます。

手で選んだ人にも送れる。ジャーニーの対象は、会社名やコンタクト名で検索して、一人ずつ選んで入れることもできます。一度だけ、決まった人たちに呼び戻しを送りたいときに使えます。

できないこと:購入のデータは使えない

marketingLABOはカートシステムと連携していないため、「最後に購入してから○日」で休眠を判定することはできません。メールに前回買った商品を差し込むこともできません。手がかりにできるのは、サイトへの訪問、メールの開封・クリック、見たページなど、サイトとメールの中の行動です。購入した人を流れから外したいときは、購入完了ページを見たかどうかの分岐を使います。購入の日付で送り分けたい場合は、カートシステムのメール機能をご確認ください。

メールが届かない人には、サイトの中で

メールアドレスが分からない訪問者や、メールを読まない人でも、サイトに戻ってくれば声をかけられます。ポップアップバナーの表示条件では「前回の訪問から○日ぶり以上」の人に絞れるので、しばらく空いて戻ってきた人に、新商品や特典を見せられます。くわしくは初めての人とリピーターで出すものを変えるをご覧ください。ポップアップはフリープランから使えます。

すべてのメールに入れる表示

呼び戻しのメールにも、総務省・消費者庁の「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」と法令にある表示が必要です。送信者の氏名または名称、配信停止の連絡先(メールアドレスまたはURL)と停止できる旨、送信者の住所、苦情や問い合わせの連絡先です。配信停止を求めた人には送りません。この記事は法的な助言ではありません。

marketingLABOのジャーニーとメルマガのメールには、Gmailなどのメールソフトの画面から配信停止できるワンクリック配信停止のヘッダーが付きます。配信停止した人には、ジャーニーの途中のメールも送りません。仕組みはGmail・Yahooの送信者ガイドラインとワンクリック配信停止で説明しています。

効果の見方

ジャーニーごとに、日ごとの対象人数・送信・開封・クリックと、一人ひとりが今どの段階にいるかを見られます。呼び戻しで見るのは次の点です。

知りたいこと見るところ
休眠の日数が適切か毎日の対象人数。多すぎるなら日数が短い可能性
1通目で戻ってきた人はどのくらいか最初の分岐でゴールに進んだ人数
2通目・3通目が役に立っているか後ろの分岐でゴールに進んだ人数
メールが負担になっていないかメルマガの配信停止の数の増え方

直すときは一度に1か所だけにして、数週間ようすを見ます。日数と件名と特典を同時に変えると、どれが効いたのか分からなくなります。

動かす前のチェックリスト

  1. 対象はメルマガの受け取りに同意した人だけになっている。
  2. 休眠の日数が、ふだんの来訪の間隔より長い。
  3. すべての分岐の前に待機がある。
  4. サイトに戻ってきた人は、そこで流れが終わる。
  5. 全部のメールに、送信者名・住所・問い合わせ先・配信停止のリンクが入っている。
  6. 自分のアドレスに届くか試して、リンクをすべて押して確かめた。

よくある質問

Q. 1通目から値引きを出したほうが戻ってきますか?
出すかどうかはショップの方針しだいです。毎回値引きで呼び戻すと、「しばらく買わずにいればクーポンが来る」と覚えられてしまいます。まず新しい商品で興味を引き、特典は2通目に回すのがおすすめです。

Q. ステップメールの途中の人にも届いてしまいませんか?
登録したばかりの人は最近サイトに来ていることが多いので、休眠の対象にはなりにくいはずです。それでも心配な場合は、休眠の日数を、登録後のステップメールの期間より十分長くしておきましょう。

Q. 反応がない人は、リストから消したほうがいいですか?
消す必要はありません。ふだんのメルマガの送り先から外しておけば、あとでサイトに戻ってきたときに、また送り先に戻せます。

Q. ライトプランでも作れますか?
ライトプランではメルマガまで、自動で流れを組むジャーニーはスタンダードプランです。フリープランは無料で登録でき、あとからプランを変更できます。

参考にした資料

Gmail ヘルプ「メール送信者のガイドライン」: https://support.google.com/a/answer/81126?hl=ja

総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」(平成23年8月): https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_081114_1.pdf

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