久しぶりに来た人に新商品を知らせる|前回の訪問からの日数で出すバナー
1か月ぶりにショップを開いた人が知りたいのは、「前に見たときから何が変わったか」です。それなのにトップページには、前回と同じ会員登録の案内や、もう見慣れたセールのバナーが出ていないでしょうか。 この記事では、前回の訪問からの日数を条件にして、久しぶりに来た人にだけ新商品や再入荷のお知らせを出す方法を説明します。marketingLABOのバナーは在庫と連携しないため、 入れ替えは手で行います。その運用を、無理なく続けられる手順に落とし込みます。
更新

久しぶりの人と、毎週来る人は見たいものが違う
毎週のように来てくれる人は、新しく入った商品をすでに見ています。そういう人に毎回「新商品が入りました」と出しても、知っている話のくり返しになります。反対に、1か月以上空いて戻ってきた人は、その間に入った商品や再入荷した商品を知りません。同じお知らせでも、相手によって価値がまったく違います。
そこで使うのが「前回の訪問からの日数」です。前回からしばらく空いた人にだけ出せば、お知らせは「あなたが来ていない間に、これが変わりました」という意味を持ちます。全員に出すより表示の回数は減りますが、そのぶん読まれやすくなります。
「○日ぶり以上の訪問」の条件
marketingLABOのポップアップバナーには「サイト訪問頻度」という条件があり、その中に「○日ぶり以上の訪問」があります。前回の訪問から、選んだ日数以上が空いて戻ってきた人に表示されます。選べる日数は4つです。
| 日数 | 向いているお店 | 出す内容の例 |
|---|---|---|
| 30日ぶり以上 | 毎月のように新商品や再入荷がある | 今月の新商品、再入荷した定番 |
| 60日ぶり以上 | 2か月に1回くらい品ぞろえが変わる | 新しいシリーズ、季節の入れ替え |
| 180日ぶり以上 | 季節ごとに商品が大きく変わる | 今シーズンの商品、半年の間に増えたもの |
| 360日ぶり以上 | 年に1回の需要がある(ギフト、季節用品など) | 今年の新作、去年からの変更点 |
訪問者は、ブラウザに保存したCookieで見分けています。そのため、別の端末で来た人や、Cookieを消した人は「初回」として扱われます。また、Safariでは一定期間サイトでの操作がないとスクリプトで保存した情報が消されるため、長く空いた人ほどこの条件に当たりにくくなります。仕組みと限界は初めての人とリピーターで出すものを変えるで詳しく説明しています。ここでは「久しぶりの人の一部は初回扱いになる」とだけ覚えておいてください。
在庫とは連携しない、という前提
marketingLABOの計測タグは、ショップの在庫数や商品データを読み取りません。ShopifyやBASEなどのカートシステムとの連携もありません。そのため「在庫が0から1以上に戻ったら自動でお知らせを出す」「商品ごとに再入荷メールを送る」といったことはできません。新商品・再入荷のバナーは、自分で作って公開し、自分で止めるものです。
| 項目 | 自動でできること | 自分で行うこと |
|---|---|---|
| 誰に出すか | 前回の訪問からの日数、見たページ、見ていないページで絞る | どの条件にするかを決める |
| いつ出すか | 表示期間(開始と終了の日時)の間だけ出す | 期間を決め、終わったら内容を見直す |
| 何を出すか | - | 商品の画像と文言を入れ替える |
| 売り切れたとき | - | バナーを止めるか、文言を変える |
手作業と聞くと面倒に思えますが、新商品や再入荷が月に数回ほどのお店なら、むしろ扱いやすい方法です。何をいつまで出すかを自分で決められるので、「もう売り切れているのに再入荷のお知らせが出ていた」という事故は、運用のルールで防げます。毎週たくさんの商品が入れ替わり、商品ごとに自動で知らせたい場合は、在庫と連携できる専用の仕組みのほうが向いています。
何日ぶりにするかの決め方
- 品ぞろえが変わる間隔から考える。新商品が月に1回入るなら30日、季節ごとなら180日が出発点です。前回から商品が何も変わっていない人に出しても意味がありません。
- 実際の訪問の間隔を確かめる。購入した人の行動履歴を何人分か開き、前回の訪問から何日空いて戻ってきているかを見ます。30日以上空く人がほとんどいなければ、条件に当たる人も少なくなります。
- 迷ったら30日から始める。当たる人がいちばん多い日数です。表示数を見てから、60日以上の人向けに内容を変えたバナーを足すかどうかを決めます。
設定例1:30日ぶり以上の人に、今月の新商品を見せる
- 条件:サイト訪問頻度を「30日ぶり以上の訪問」にします。
- ページ:トップページと商品一覧ページ。久しぶりの人は、たいていトップか一覧から入ります。
- きっかけ:最初から表示ではなく、数秒の滞在か短いスクロールにします。ページを少し見てもらってから出します。
- 形:画面の隅に浮かべるフローティングか、小さいモーダル。新商品の画像を1枚と、新商品一覧へのボタンを置きます。
- 表示期間:その月の新商品を入れた日から、次の入れ替えの予定日まで。
スマホでは画面を大きく覆わないようにします。大きさと出し方の考え方はスマホのポップアップはSEOに不利?にまとめています。
設定例2:売り切れの商品ページを見た人に、再入荷を知らせる
再入荷をいちばん知りたいのは、売り切れのときにその商品を見に来た人です。商品ページのURLが売り切れの間も変わらないなら、「閲覧ページ」の条件でその人たちに絞れます。
- 売り切れの間も、商品ページは消さずに残しておきます。ページを見た人が「その商品を見た人」として記録されます。
- 再入荷したら、バナーを作ります。条件:閲覧ページにその商品ページのURLを入れます。
- 条件を足す:未閲覧ページに購入完了ページのURLを入れ、すでに買った人を外します(同じ商品かどうかまでは区別できないので、買った人全体を外すことになります)。
- ページ:トップページと一覧ページ。商品ページ自体には在庫ありと表示されているので、入口側で知らせます。
- 表示期間:再入荷した日から数日〜2週間。売り切れたら、その日のうちに止めます。
人気の商品なら、ここに「30日ぶり以上の訪問」を足す必要はありません。売り切れを見てから数日で戻ってきた人にも知らせたいからです。日数の条件は、売り切れから再入荷までが長かった商品で使います。
設定例3:大きな再入荷の日は、帯で全員に知らせる
看板商品の再入荷のように、全員に知ってほしいお知らせもあります。その場合は訪問の条件を付けず、ページの上に出す帯を使い、表示期間を再入荷の日から数日に絞ります。帯の使い方は送料無料のお知らせはどこに出すかでも説明しています。帯は1行で済む内容に向いているので、「定番の○○が再入荷しました」のように短く書きます。
テンプレートから作る
marketingLABOには、ECサイト向けのバナーのテンプレートが55種類あり、その中に「新商品・再入荷」の分類があります。テンプレートを選び、商品の画像と文言を差し替えれば公開できます。作れる形は、画像だけ、画像とキャッチコピーとボタン、カウントダウン付き、メール登録フォーム付きの4つです。
| 場面 | 見出しの例 | 本文の例 | ボタン |
|---|---|---|---|
| 久しぶりの人に | お久しぶりです。新しい商品が入りました | 前回のご訪問のあとに入った商品をまとめました。 | 新商品を見る |
| 定番の再入荷 | ○○が再入荷しました | 品切れしていた○○が、本日から再びご購入いただけます。 | 商品を見る |
| サイズ・色の再入荷 | 品切れのサイズが戻りました | ○○のMサイズとLサイズが再入荷しました。 | サイズを見る |
| 季節の入れ替え | 今シーズンの商品がそろいました | 秋冬の新作と、昨年好評だった定番を並べています。 | 一覧を見る |
「前回見ていた○○」のように、その人が見た商品を細かく書くのは避けます。見られているような不快感を与えることがあるうえ、Cookieの見分けを間違えた相手には意味の通らない文になります。「前回のご訪問のあとに」くらいの言い方なら、誰が読んでも違和感がありません。
お知らせの内容を、事実とずらさない
在庫と連携しないということは、バナーの文言と実際の在庫がずれる可能性がある、ということです。再入荷のバナーをクリックしたら売り切れていた、という体験は、お知らせを出さないより信用を損ないます。
景品表示法には、商品が実際には買えないのに買えるかのように見せる表示を不当表示とする「おとり広告に関する表示」という告示があります。消費者庁のページでは、取引の準備ができていない場合や、供給量が著しく限定されているのにその限定がはっきり書かれていない場合などが挙げられています。少数だけの再入荷なら数量が限られていることを書き、売り切れたらすぐにバナーを止めるのが安全です(この記事は法的な助言ではありません。個別の判断は専門家にご相談ください)。
「残りわずか」と期限を強く打ち出したい場合は、カウントダウンタイマーと景品表示法の考え方も参考にしてください。
入れ替えの手順を決めておく
- 新商品・再入荷を登録した日:ショップに商品を出したら、同じ日にバナーの画像と文言を差し替え、表示期間の開始日を入れます。
- 公開の前:バナーのリンク先が在庫ありのページになっているかを、自分の目で確かめます。
- 売り切れたとき:その日のうちにバナーを止めるか、「次回の入荷はメルマガでお知らせします」のような文言に変えます。
- 表示期間が終わったとき:表示数とクリック数を見て、次の入れ替えに使うかどうかを決めます。
- 担当を決める:商品を登録する人と、バナーを入れ替える人を同じにするか、登録したら連絡するルールにします。
この手順を、商品登録の作業メモの横に書いておくだけで、入れ替え忘れはかなり減ります。
来ない人には、メールで届ける
バナーはサイトに来た人にしか見えません。久しぶりの訪問を待たずに知らせたい場合は、メールを使います。ライトプラン以上ではメルマガを送れるので、新商品や再入荷のまとめを配信し、リンクから戻ってきてもらえます。スタンダードプランのジャーニーには「しばらく来ていない人の呼び戻し」のひな形があり、サイトに来なくなった人へのメールを自動で組めます。メールアドレスを集める方法はメール登録ポップアップの作り方で紹介しています。ただし、商品ごとの在庫に合わせて自動でメールを送る機能はありません。
効果の見方
- 表示数とクリック数:バナーごとに見られます。「30日ぶり以上」のバナーは表示数が少なめになるのが普通です。表示数に対するクリックの割合で比べます。
- マイクロCV:新商品一覧や再入荷した商品ページを「特定URL」のマイクロCVにしておくと、表示期間中にそのページまで来た人の数が分かります。
- ヒートマップ:再入荷した商品ページで、サイズの選択やレビューまでスクロールされているかを見ます。読み方は商品ページのヒートマップの読み方を参考にしてください。
クリックは購入ではありません。数字は、次の入れ替えでどの文言や画像を使うかを決める材料として使います。
よくある失敗
- 売り切れたあともバナーが出ている。表示期間を短めに入れ、売り切れたら止めるルールを決めます。
- 毎週来る人にも新商品のお知らせが出続ける。全員向けの帯は短い期間だけにし、ふだんは「○日ぶり以上」の条件を使います。
- 日数を長くしすぎて誰にも出ない。まず30日で始め、表示数を見てから延ばします。
- 初めての人向けのバナーと重なる。久しぶりの人の一部は「初回」扱いになるので、初回向けの文言も、常連が読んで失礼にならないものにしておきます。
公開前のチェックリスト
- 日数は、品ぞろえが変わる間隔と、実際の訪問の間隔を見て決めた
- リンク先は在庫ありのページになっている
- 表示期間の終わりを入れた
- 少数だけの再入荷なら、数量が限られていることを書いた
- 売り切れたときに止める人と手順を決めた
- 閲覧した商品を細かく書きすぎていない
- スマホで画面を大きく覆っていない
よくある質問
在庫が戻ったら自動でバナーを出せますか?
できません。marketingLABOは在庫や商品データと連携していないため、バナーは自分で公開し、自分で止めます。表示期間を入れておけば、終わりの日時で自動的に出なくなります。
再入荷を待っている人にだけメールを送れますか?
商品ごとの入荷通知の仕組みはありません。メルマガ(ライトプラン以上)で再入荷のお知らせを配信することはできます。
30日ぶりと60日ぶりで内容を変えられますか?
バナーを2つ作れば変えられます。「60日ぶり以上」の人は「30日ぶり以上」にも当てはまるので、同じページで2つが重ならないよう、ページを分けるなどの工夫をします。公開できるバナーの数は、フリープランで1つ、ライトプランで3つ、スタンダードプランで無制限です(料金)。
まとめ
新商品や再入荷のお知らせは、前回からしばらく空いた人や、売り切れの商品を見に来た人に絞ると、意味のある情報になります。条件は「○日ぶり以上の訪問」と「閲覧ページ」、期間は表示期間で決めます。在庫とは連携しないので、商品の登録とバナーの入れ替えを同じ日に行う手順を決めておくことが、いちばん大事な準備です。無料で登録して、「新商品・再入荷」のテンプレートから1つ作ってみてください。
参考にした資料
消費者庁「おとり広告に関する表示」(2026年10月12日閲覧)
フリープランは期限なしで無料。クレジットカードの登録は不要です
無料で始めるほかの記事

広告から来た人にだけ同じキャンペーンのバナーを出す|URLパラメータの付け方
広告をクリックした人にだけ、広告と同じキャンペーンのバナーを出す方法。UTMとの違い、Google広告への付け方、パラメータをカテゴリーで束ねる設定、確認の手順を解説します。
記事を読む →
自然検索・参照・直接の違い|流入元の数字を読み違えないために
流入元の「自然検索」「参照元(リファラー)」「直接アクセス」は何で決まるのか。GA4との定義の違い、直接が増えて見える理由、流入元でバナーを出し分けるときの注意をまとめました。
記事を読む →
メールの開封率はどこまで信用できるか|Appleの「メールプライバシー保護」以後の見方
メルマガの開封率が急に上がった・あてにならないと感じたら。Appleの「メールプライバシー保護」で開封が水増しされる仕組みと、クリックやサイトへの再訪で判断する方法を解説します。
記事を読む →
会員登録フォームのA/Bテスト|何件集まったら判定してよいか
会員登録・メルマガ登録フォームのA/Bテストの進め方。50:50で分ける理由、p値の読み方、判定に必要な件数の目安、途中で止めてはいけない理由を、公的な統計の資料をもとに解説します。
記事を読む →
スマホのポップアップはSEOに不利?|Googleの説明に沿った大きさと出し方
スマホのポップアップはSEOに不利なのか。Google検索セントラルの「煩わしいインタースティシャル」の説明を引きながら、帯・小さいモーダル・スマホ用の画像の使い分けと、公開前の確認方法を解説します。
記事を読む →
カウントダウンタイマーと景品表示法|「残り○時間」が有利誤認にならない使い方
セールのポップアップに付けるカウントダウンタイマーは、本当の締め切りにだけ使うのが原則です。消費者庁の措置命令やガイドラインをもとに、有利誤認を避ける設定手順と表記をまとめました。
記事を読む →