商品ページのヒートマップの読み方|スクロール・クリック・マウスの動きで何を直すか

ヒートマップは、商品ページで訪問者が「どこまで読み、どこを押そうとしたか」を色で見せてくれます。ただ、色の濃い・薄いをそのまま信じると、 直す場所を間違えることがあります。この記事では、写真・価格・送料・レビュー・カートボタンが並ぶ一般的な商品ページを例に、 スクロール・クリック・マウスの動きの3種類のヒートマップを順に読み、何を直すかを決めるまでの流れを説明します。

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ヒートマップで分かること・分からないこと

ヒートマップは、1つのページのスクリーンショットの上に、訪問者の動きを色で重ねたものです。たくさんの人の動きをまとめて見るので、「レビューまでたどり着いた人はどのくらいか」「価格の近くで何が押されているか」といった、集団としての傾向が分かります。

一方で、なぜそうしたのかは分かりません。「送料の欄がほとんど読まれていない」と分かっても、送料に関心がないのか、見つけられないのかは、ヒートマップだけでは決められません。ヒートマップは答えではなく、「どこを疑えばよいか」を教えてくれる道具だと考えてください。

ヒートマップは常に「1つのページ・1つの期間」の集計です。同じ作りの商品ページでも、売れ筋とそうでない商品では読まれ方が違います。アクセスの多い商品ページを2〜3つ選び、それぞれ見るのがおすすめです。

ヒートマップの3つの種類

marketingLABOのヒートマップには、マウスの動き・スクロール・クリックの3種類があります。それぞれ記録しているものと、向いている問いが違います。

種類記録しているもの向いている問い注意点
スクロールページのどこまで下に進んだかレビューや送料の説明まで、何割の人が届いているか届いたことと、読んだことは別
クリックページのどこが押されたか(スマホではタップ)押してほしい所が押されているか。リンクでない所が押されていないか人数ではなく回数。1人が何度も押すと濃くなる
マウスの動きパソコンでマウスのカーソルが動いた・止まった場所パソコンの訪問者が、どのあたりに注目していそうかパソコンのみ。カーソルの位置と目線は必ずしも一致しない

スマホにはマウスのカーソルが無いため、スマホに切り替えると「マウスの動き」は表示されず、スクロールとクリックの2種類になります。なお、訪問者の画面を動画のように再生する「録画」の機能はありません。

読む前の準備

  1. 期間を決める。アクセスの少ないページは、数日分では色がまばらで判断できません。期間を延ばしていき、濃い場所やスクロールの割合がほとんど変わらなくなったら、読める量がたまったと考えます。
  2. パソコンとスマホを分けて見る。画面の幅が違えば、写真や価格の位置も、どこまでが最初の画面に入るかも変わります。ネットショップではスマホの訪問が多いことが多いので、まず多いほうの端末から見ます。
  3. スクリーンショットが今のページと合っているか確かめる。ページのレイアウトを変えたあとは、スクリーンショットを取り直します。古い画像の上に新しい動きを重ねると、位置がずれて読み違えます。
  4. 必要ならアクセス元で絞る。ページ別のレポートから開いたヒートマップは、自然検索・参照元のサイト・直接・URLパラメータ(広告など)で絞り込めます。広告から来た人と検索から来た人では、読み方が大きく違うことがあります。

まずスクロールから読む

3種類の中で最初に見るのはスクロールです。そもそも見られていない場所は、押されようがないからです。marketingLABOのスクロールのヒートマップは、ページを上から10の帯に分け、それぞれに「○%到達」と、その帯までたどり着いたセッションの割合を表示します。色は到達した割合が多いほど赤く、少ないほど青くなります(80%以上が赤、60%以上がオレンジ、40%以上が黄、20%以上が黄緑、20%未満が青)。

商品ページでは、次の3か所の「到達の割合」を書き出してみてください。

  1. カートに入れるボタン。多くの商品ページでは最初の画面に入っているはずですが、スマホでは写真が大きく、ボタンが2画面目に押し出されていることがあります。
  2. 送料・お届け日・返品の説明。買う直前に気になる情報なのに、ページの下のほうに置かれがちです。
  3. レビュー。「レビューを読んだ人は買いやすい」と考えて置いていても、そこまで届く人が少なければ、効果は限られます。

米国のNielsen Norman Groupが2018年に行った視線の調査では、ページを見ている時間の57%が最初の画面(スクロールせずに見える範囲)に、74%が最初の2画面分に集まっていました。下に行くほど見られる時間は減るので、大事な情報が下にあるほど、届く人は少なくなると考えておきます。

帯の割合が途中で急に下がっている場所があれば、そこを注意して見ます。同じ調査では、ページがそこで終わったように見えてしまう「偽の床(false floor)」が、スクロールを止める原因として挙げられています。大きな余白や横長の画像、区切り線の直後で急に下がっていたら、その下にまだ続きがあることが伝わっていないのかもしれません。

次にクリックを読む

クリックのヒートマップでは、カートのボタンが濃いのは当たり前です。見るべきなのは、それ以外の3か所です。

見る場所色の出方考えられること直し方の例
リンクでない所商品写真・価格・「送料無料」の表示・星の数が押されている拡大したい、詳しく知りたい、レビューに飛びたい写真を拡大できるようにする、星をレビューへのリンクにする、送料の説明へのリンクを置く
先へ進まないリンクヘッダーのメニュー、ロゴ、別の商品へのリンクに集中しているこのページで知りたいことが見つからず、ほかを探している商品説明の最初に、よく聞かれる点(サイズ・素材・お届け日)を足す
押されると思っていた所サイズ表や「送料について」のリンクがほとんど押されていない見つけにくい、言葉が分かりにくい、または必要とされていないスクロールの割合と合わせて、届いていないのか、届いても押されないのかを分ける

クリックは人数ではなく回数で数えます。押しても何も起きない写真を1人が何度も押すと、それだけで濃く見えます。気になる場所があれば、訪問者ごとの行動履歴からその人の動きを開き、1人の何度もなのか、多くの人の1回ずつなのかを確かめます。行動履歴から開いたヒートマップは、その回の訪問だけ、またはその人のすべての訪問に切り替えて見られます。

マウスの動きはヒントとして読む

マウスの動きのヒートマップは、パソコンの訪問者がカーソルを動かしたり止めたりした場所を表します。文章を読みながらカーソルを添える人もいれば、画面の端に置いたまま読む人もいるので、カーソルの位置と目線は「ある程度」しか一致しません。

それでも、価格のあたりでカーソルが長く止まっている、サイズの選択肢の上を何度も行き来している、といった動きは、迷っている場所の手がかりになります。大事な判断は、マウスの動きだけで決めず、スクロールとクリックで裏づけを取ってからにします。

商品ページの部品ごとのチェックリスト

3種類を読み終えたら、商品ページの部品ごとに次の表を埋めてみてください。空欄が多い部品ほど、まだ分かっていないことが多い場所です。

部品スクロールで見ることクリックで見ることよくある直し方
商品写真写真が大きすぎて、価格やボタンが最初の画面から押し出されていないか写真が押されているか。押されているなら拡大や別の角度を見たい人がいる拡大表示を付ける。スマホでは写真の高さを抑える
商品名・価格ほぼ全員に届いているか価格のそばの「税込」「送料」の表示が押されていないか税込の価格と送料の目安を同じ行に書く
サイズ・色の選択選択肢の下にある説明まで届いているかサイズ表のリンクが押されているかサイズ表をボタンの近くに置く
カートに入れるボタンスマホでも最初の画面か、その少し下にあるかボタンの周りの、押せない所が押されていないかボタンの位置と大きさをそろえる
送料・お届け日・返品何割の人が届いているか「詳しくはこちら」が押されているか要点を価格の近くに短く書き、詳しい説明は下に残す
商品説明途中で到達の割合が急に下がっていないか説明の中の画像やリンクが押されているか見出しを付け、要点を最初に書く
レビュー届いている人の割合星の数や「レビューを見る」が押されているか星をレビューへのリンクにする。件数を価格の近くに出す

よくある読み違い

  1. 「赤い=よく読まれている」と思い込む。スクロールの赤は「そこまで届いた人が多い」という意味です。読んだかどうかは分かりません。
  2. パソコンとスマホを混ぜて見る。端末ごとに位置がずれるため、混ぜると色の意味があいまいになります。
  3. 少ないデータで決める。訪問が数十件のうちは、たまたま1人の動きで色が変わります。
  4. クリックの回数を人数と取り違える。同じ人の連打で濃く見えていないか確かめます。
  5. ページを直したあと、古いスクリーンショットのまま比べる。位置がずれて、別の要素の上に色が乗ります。
  6. ログインが必要なページを、そのまま信じる。スクリーンショットはURLを開いて撮るため、ログイン後の画面や、人によって中身が変わるページでは、訪問者が実際に見た画面と違うことがあります。

ヒートマップと一緒に見る数字

ヒートマップは「ページの中」の様子です。ページの外の数字と合わせると、読み違いが減ります。ページ別のレポートでは、ページビュー数・セッション数・離脱率を確かめられます。離脱率が高いページでスクロールの到達が浅いなら「最初の画面で帰っている」、到達は深いのに離脱率が高いなら「最後まで読んだが決め手が無かった」と、疑う場所を分けられます。

あわせて、平均滞在時間も見ます。到達の割合が高くても滞在が極端に短い場合は、読まずに一気に下まで流しているだけかもしれません。「カートのページを見た」「一定の時間以上とどまった」などを小さな成果(マイクロCV)として数えておくと、直したあとに良くなったかどうかを、購入の件数より早く判断できます。

見つけたことを直す順番

問題が見つかっても、一度に全部を直すと、どの変更が効いたのか分からなくなります。次の順番で、1回に1か所ずつ直すのがおすすめです。

  1. 届いていない大事な情報を上に動かす。送料・お届け日・返品の条件を、価格の近くに短く書く。いちばん手間が少なく、効果も確かめやすい直し方です。
  2. 押されているのに何も起きない所に、動きを付ける。写真の拡大、星からレビューへのリンクなど。
  3. ページを短く、区切りを分かりやすくする。見出しを付ける、要点を最初に書く、箇条書きにする。Nielsen Norman Groupは、整形されていない文章は「F字型」に飛ばし読みされやすく、見出しや箇条書きで要点を先に示すことをすすめています。
  4. それでも届かない人には、バナーで知らせる。たとえば「商品ページを50%までスクロールした人に、送料無料のお知らせを出す」。ページの作りを変えずに試せます。
  5. 直す前と同じ長さの期間で比べる。スクリーンショットを取り直し、カートのボタンの到達とクリック、レポートの離脱率を比べます。

marketingLABOのヒートマップでできること

機能内容
3種類のヒートマップマウスの動き(パソコンのみ)・スクロール・クリックを切り替えて表示
スクロールの到達ページを10の帯に分け、各帯に「○%到達」と色を表示
端末の切り替えパソコンとスマホを分け、それぞれの画面幅のスクリーンショットで表示
アクセス元で絞り込みページ別のレポートから開いたとき、自然検索・参照元・直接・URLパラメータで絞り込み
スクリーンショットの取得・更新レイアウトを変えたあとに、ボタン1つで撮り直し
訪問者ごとの表示行動履歴から、その回の訪問だけ、またはその人のすべての訪問で表示

ヒートマップは、フリープランを含むすべてのプランで使えます。全ページに計測タグを1行貼ると、ページごとにヒートマップが見られるようになります。録画の機能はありません。ヒートマップで見つけた場所にバナーを出す使い方は、ECサイトのマーケティングオートメーションとはで紹介しています。料金は料金プランをご覧ください。

よくある質問

どのくらいのアクセスがあれば読めますか?

決まった件数はありません。期間を延ばしても濃い場所やスクロールの割合がほとんど動かなくなれば、読める量がたまっています。アクセスの少ないページは、1か月以上かかることもあります。

スマホでマウスの動きが見られないのはなぜですか?

スマホにはマウスのカーソルが無く、記録するものが無いためです。スマホではスクロールとクリック(タップ)を見ます。

スクロールとクリック、どちらを先に見ればよいですか?

スクロールです。見られていない場所は押されようがないので、まず「どこまで届いているか」を確かめてから、クリックを読みます。

ヒートマップのために、サイトの作りを変える必要はありますか?

ありません。全ページの<head>に計測タグを貼るだけです。スクリーンショットはURLを開いて撮るため、公開されているページが対象になります。

参考にした資料

  1. Nielsen Norman Group: Scrolling and Attention(2018年の視線調査。最初の画面に57%、最初の2画面に74%。false floor)
  2. Nielsen Norman Group: F-Shaped Pattern of Reading on the Web

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