自然検索・参照・直接の違い|流入元の数字を読み違えないために
アクセス解析を開くと、最初に目に入るのが流入元の内訳です。「自然検索が減って直接が増えた」と聞くと、広告やSNSの予算を見直したくなるかもしれません。ただ、この内訳は解析ツールが見ている2つの手がかりから機械的に決めたもので、ツールごとに決め方も違います。この記事では、自然検索・参照・直接がそれぞれ何で決まるのか、Googleアナリティクス4(GA4)とmarketingLABOでどう違うのか、そして「直接」が実際より多く見える理由と、流入元でポップアップを出し分けるときの注意を整理します。
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まず3つの違いを一言で
| 流入元 | ふだんの意味 | ツールが判断している材料 |
|---|---|---|
| 自然検索 | 検索結果の広告ではないリンクから来た | 直前のページが検索エンジンの検索結果だった |
| 参照(リファラー) | 他のサイトのリンクから来た | 直前のページが検索エンジン以外のサイトだった |
| 直接 | アドレスを入力した、ブックマークから来た | 直前のページが分からず、リンクに目印も付いていなかった |
| パラメータ付きリンク | 自分で目印を付けたリンク(広告・メルマガ・SNSの投稿など)から来た | 開いたページのURLに目印のパラメータが付いていた |
大事なのは、どのツールも「お客さまがどこでクリックしたか」を直接見てはいない、という点です。見えるのは、ページを開いたときに届く2つの情報だけです。1つは開いたページのURL(「?」のあとの部分を含む)、もう1つはブラウザが知らせる「直前にいたページ」の情報(リファラー)です。流入元の分類はすべて、この2つからの推測です。
リファラーはどこまで届くのか
リンクをクリックすると、ブラウザは多くの場合、リンクがあったページのアドレスをリファラーとして送ります。ただし、どこまで送るかはリファラーポリシーという設定で決まります。MDNの「Referrer-Policy ヘッダー」によると、サイトが何も指定していない場合の既定はstrict-origin-when-cross-originです。この場合、別のサイトへ移るときは、どちらもHTTPSならオリジン(https://example.com/のようなサイトの入り口の部分)だけを送り、HTTPSからHTTPのページへ移るときはリファラーを送りません。サイト側がno-referrerを選ぶと、リファラーは一切含まれません。
このため、たいていは「どのサイトから来たか」は分かっても、「どのページか」「何と検索したか」までは分かりません。検索した言葉は、各検索エンジンのサイト運営者向けツールで調べます。
GA4ではどう分けているか
GA4は、参照元とメディアという2つの値に決まったルールを当てはめて「デフォルト チャネル グループ」に分けます。Googleアナリティクスのヘルプ「デフォルト チャネル グループ」に書かれているルールのうち、この記事に関係するものを抜き出しました。
| GA4のチャネル | ヘルプに書かれているルール |
|---|---|
| 直接 | 参照元が「(direct)」と完全一致し、かつメディアが「(not set)」または「(none)」 |
| オーガニック検索 | 参照元が検索サイトのリストに一致、またはメディアが「organic」と完全一致 |
| 参照 | メディアが「referral」「app」「link」のいずれか |
| オーガニック ソーシャル | 参照元がソーシャルサイトのリストに一致、またはメディアが「social」などのいずれか |
| メール | 参照元またはメディアが「email」「e-mail」「e_mail」「e mail」のいずれか |
| 有料検索 | 参照元が検索サイトのリストに一致し、かつメディアが「cp」を含む値・「ppc」・「retargeting」・「paid」で始まる値のいずれか |
GA4ではSNSとメールが「参照」とは別のチャネルになっているので、GA4の「参照」は日常の意味より狭くなっています。また、リンクに<code>utm_medium=email</code>のような目印を付ければ、リファラーが何であってもメールのチャネルに入ります。
marketingLABOではどう分けているか
marketingLABOの計測タグも、ページを開いたときのURLとリファラーを読んで、次の順番で流入元を決めます。上のものほど優先されます。
- パラメータ:開いたページのURLに、パラメータ設定で登録したパラメータ(既定のキーは
param。例:?param=mailmag_1012)が付いていれば、リファラーが何であってもパラメータとして記録します。 - 自然検索:パラメータがなく、リファラーが検索エンジンの検索結果のページなら自然検索です。
- リファラー:パラメータがなく、リファラーが検索エンジン以外のサイトならリファラー(参照元)です。
- 直接アクセス:パラメータもリファラーもないとき。また、リファラーがmarketingLABOに登録している自分のサイトのときも直接アクセスになります。
自然検索と判定する検索エンジンは、2026年10月12日に広げました。以前はwww.google.com・www.google.co.jp・search.yahoo.co.jp・www.bing.comの4つだけでしたが、今は次のものが自然検索に入ります。レポートでは「google自然検索」「yahoo!自然検索」のように、検索エンジン別に表示されます。
| 検索エンジン | 自然検索に入る例 | 自然検索に入らない(リファラーのまま)例 |
|---|---|---|
| google.com、google.co.jp、google.co.ukなど各国のGoogle | mail.google.com(Gmail)、news.google.com、search.google.com(Search Console) | |
| Yahoo! | search.yahoo.co.jp、search.yahoo.com | www.yahoo.co.jp(Yahoo! JAPANのトップページ) |
| Bing | www.bing.com、cn.bing.com | ― |
| その他 | DuckDuckGo、Ecosia、Brave Search、Yandex、Baidu、Naverの検索結果 | www.naver.comなど検索結果以外のページ |
判定するのは検索結果のページのアドレスだけです。同じ会社でも、Gmailのメールの中のリンクや、Yahoo! JAPANのトップページに並ぶニュースのリンクから来た人は、検索したわけではないのでリファラーに入ります。
utm_sourceなど)は、パラメータ設定で「UTMパラメータを計測する」をオンにすると、アクセスレポートの「参照元(UTM)」タブで見られます。ただし上の流入元の判定でパラメータになるのは、パラメータ設定で登録したパラメータです。UTMだけを付けたリンクは、リファラーで判定されます。同じ訪問が、ツールによって違う流入元になる
2つのツールで流入元の割合が合わないのは、ルールも計測の止まり方も違うからで、ふつうのことです。数字を合わせようとせず、それぞれのツールの中での増減を見ます。よくある訪問で比べると次のとおりです。
| 訪問のしかた | GA4のチャネル | marketingLABOの流入元 |
|---|---|---|
| Google検索の結果をクリック | オーガニック検索 | 自然検索 |
| Yahoo!検索の結果をクリック | オーガニック検索 | 自然検索 |
| ブログ記事のリンクをクリック | 参照 | リファラー |
| リファラーを送るSNSのリンクをクリック | オーガニック ソーシャル | リファラー |
| utm_medium=emailだけを付けたメルマガのリンク(リファラーなし) | メール | 直接アクセス |
| 同じリンクに?param=…も付けた | メール | パラメータ |
| アドレスを入力した、ブックマークから来た | 直接 | 直接アクセス |
| 目印のないQRコードを読み取った | 直接 | 直接アクセス |
「直接」が実際より多く見える理由
本来の意味での直接は、お店の名前を知っていて、アドレスを入力したりブックマークから来たりする人です。けれども実際には、リファラーも目印もない訪問はすべて直接に入ります。GA4のヘルプ「「(direct) / (none)」トラフィックについて」も、UTMパラメータが設定されていないリンク、パラメータを消してしまうリダイレクト、bit.lyなどのURL短縮サービス、広告ブロッカー、PDFやWordなどのオフライン文書からのリンクを、参照元が分からなくなる原因として挙げています。ネットショップでよくあるものを表にしました。
| 原因 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| メールアプリ・Webメール | メールのリンクから来た人が、リファラーなしで届くことが多い | メルマガ・ステップメールのリンクにはすべて目印を付ける |
| LINEなどのメッセージアプリ | 共有されたリンクから来た人が、リファラーなしで届くことがある | 自分で投稿・返信するリンクには目印を付ける |
| チラシ・同梱物・QRコード | 紙からの訪問は、もともとリファラーがない | 目印付きのURLをQRコードにする |
| HTTPSからHTTPへの移動 | ブラウザがリファラーを送らない | サイトのすべてのページをHTTPSにする |
| リダイレクト・短縮URL | 途中でパラメータやリファラーが消えることがある | 自分のリンクを実際にクリックし、最後のアドレスを確かめる |
| 自社スタッフの訪問 | 入力やブックマークでの訪問が直接に積み上がる | 社内のIPアドレスを計測から外す |
判断の目安は単純です。メルマガを送った日に直接が跳ね上がったなら、増えた分はメルマガからの訪問である可能性が高いでしょう。長い商品ページのURLのように、人が手で入力するとは思えないページに直接が多いなら、それはリファラーの届かないどこかから来た訪問です。直接は「常連のお客さま+出どころの分からない訪問」として読みます。
自然検索が少なく見える・多く見える理由
- リファラーが届かない:検索から来たのにリファラーが消えると、直接に入ります。
- 検索広告が混ざる:検索広告をクリックした人も、同じ検索結果のページから来ます。広告のリンクに目印を付けていないと、GA4でもmarketingLABOでも、自然検索と区別しにくくなります。広告のリンクには、パラメータや広告媒体の自動の目印を必ず付けます。
- 検索エンジンの範囲:どのアドレスを検索エンジンとみなすかは、ツールごとに違います。marketingLABOでは2026年10月12日以降、上の表のとおり各国のGoogleなども自然検索に入るため、それより前と比べると自然検索がやや増え、リファラーがやや減って見えることがあります。
流入元は「ページを開くたび」に決まる
流入元を条件にしてポップアップを出すときに、特に知っておきたい点です。流入元は、ページを開くたびにそのときのURLとリファラーから決まります。検索から来た人の最初のページでは自然検索ですが、そこからサイト内の2ページ目へ進むと、リファラーは自分のサイトになるので、marketingLABOでは直接アクセスとして扱われます。
そのため、「アクセス元=自然検索」のポップアップは、検索結果から最初に開かれるページ(ランディングページ)で出すように作ります。そのページの中で、滞在○秒後やスクロール○%といった出し方でタイミングを調整します。キャンペーンから来た人に、サイト内を移動しても同じ案内を出したいときは、ページの条件や訪問回数・前回からの日数と組み合わせるほうが分かりやすくなります。
ブログとショップを別のドメインで運営しているなら、両方をサイトとして登録しておきます。登録していないと、ブログからショップへのクリックがリファラーとして数えられます。
流入元でポップアップを出し分ける
流入元から分かるのは、お客さまがすでに何を知っているかです。最初に何を伝えるかを決める手がかりになります。
| アクセス元 | お客さまがおそらく知っていること | 合いやすい案内 |
|---|---|---|
| 自然検索 | 何かを探しに来た。お店のことはまだ知らないかもしれない | 開いたページの役に立つこと。送料・返品の要点、関連する商品、メルマガ登録 |
| リファラー | 他の人の紹介で知った | 初めての人向けの、お店の紹介 |
| パラメータ | 広告・投稿・メルマガを見た | その広告や投稿と同じ特典・同じ言葉 |
| 直接アクセス | よく知っている常連か、出どころの分からない人 | どちらにも通じる内容。新商品やいまのお知らせ |
直接には常連と出どころ不明の人が混ざっているので、「いつもありがとうございます」のように常連だと決めつける文面は避けます。marketingLABOのバナーでは、アクセス元の条件を、ページURL(前方一致も可)、訪問頻度、前回訪問からの日数、見た/見ていないページ、表示期間などとAND条件で組み合わせられます。設定の流れは次のとおりです。
- どのアクセス元の、どのページの人に出すかを決め、その組み合わせに合わせて文面を書く。
- バナーの表示条件で、出すページのURLを指定する(商品ページ全体なら前方一致)。
- 条件に「アクセス元」を追加し、パラメータ・自然検索・リファラー・直接アクセスから選ぶ。
- 必要なら、訪問回数や見ていないページなどの条件を足す。
- 出し方(すぐ・滞在○秒後・スクロール○%・離脱しそうなとき)を選ぶ。
- お客さまと同じ来方で確かめる。検索して結果をクリックする、自分の目印付きリンクを開く、など。
確かめ方には注意が要ります。検索結果のURLをコピーしてアドレス欄に貼り付けると、リファラーがないので直接アクセスになります。離脱しそうなときに出す方法は離脱防止ポップアップの仕組みと出し方で、メルマガ登録を集めるポップアップはメール登録ポップアップの作り方で紹介しています。
よくある質問
Q. 自然検索と参照(リファラー)は何が違うのですか?
どちらも他のサイトのリンクから来た訪問です。リンク元が検索エンジンの検索結果なら自然検索、それ以外のサイトならリファラーです。ツールはリファラーのアドレスを検索エンジンの一覧と照らして分けているので、その一覧の範囲で数字が変わります。
Q. Yahoo!広告やGoogle広告から来た人は、自然検索に入りますか?
広告のリンクに目印がないと、検索結果のページから来た訪問として自然検索に入ることがあります。パラメータを付ければ、marketingLABOではパラメータとして記録され、自然検索とは分かれます。
Q. 特定のブログから来た人だけにバナーを出せますか?
アクセス元の条件のリファラーは、検索エンジン以外のサイトをまとめたものです。特定の紹介先だけを分けたいときは、その紹介先に自分のパラメータ付きのリンクを渡し、パラメータで判定するほうが確実です。相手のサイトのリファラーポリシーでリファラーが消えても、パラメータは残ります。
流入元のレポートとアクセス元の条件は、全プランで使えます(バナーの数はフリー1つ、ライト3つ、スタンダード無制限)。タグの貼り方はカートシステム別、計測タグを貼る場所の一覧にまとめています。無料で登録してタグを貼り、数日分の流入元を見てみてください。プランの違いは料金をご覧ください。
参考にした資料
Googleアナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」(2026年10月12日確認): https://support.google.com/analytics/answer/9756891?hl=ja
Googleアナリティクス ヘルプ「[GA4] 「(direct) / (none)」トラフィックについて」(2026年10月12日確認): https://support.google.com/analytics/answer/15258820?hl=ja
MDN Web Docs「Referrer-Policy ヘッダー」(2026年10月12日確認): https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTTP/Reference/Headers/Referrer-Policy
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